「エリートの息子と結婚目前で浮かれてるんじゃない?」
お母さん、先日はご自宅にお招きいただきありがとうございました。
高級マンションの放送会で驚いたでしょう。
はい、とっても素敵なオタクでした。
うちの夫も大手広告代理店のエリートだけど、息子も同じ会社に入るなんて、遺伝子って大事よね。
はい、ご立派だと思います。ただ、私は肩書きで孝太郎さんを選んだわけじゃありません。
でも、結果的にその恩恵を受けるのはあなたよ。
収入があることはすごいと思いますが、私も仕事を続けながら支えていきます。
は?何言ってんの?女は家に入って夫を支えるものでしょ。
今時はそういう女性は少ないかと。
今も昔もないのよ。家中をピッカピカに磨いて、栄養のある料理を作って、夫の帰りを待つの。それが妻の仕事。
できる限り頑張ります。
私の許可があったから結婚できるのよ。感謝してるの。
認めていただきありがとうございます。
来週は我が家の食事会ね。どんなご両親か楽しみだわ。
父も母も大したことはないですが、尊敬できる両親です。
それはこっちが判断するから、店はそっちが予約しなさいね。
わかりました。
数分後、私は彼に電話をかけていた。
「私、お母さんに嫌われてるみたい。どうしよう。」
「エリートの息子を全力で支えるために仕事はやめろって。母さんらしいな。でも気にすることないよ。」
「うん。蒼いは蒼いらしくいたらいいんじゃないかな。」
「ありがとう。」
「1人息子の結婚で少しバスになってるだけだから、あまり気にしないでいいよ。」
「分かってる。ごめんね。口ぐちっちゃって。俺は蒼いの味方だからさ。」
「その言葉があれば頑張れる気がするよ。」
「よかった。食事会のお店を決めるよう言われたんだけど、どこがいいと思う?」
「うーん。蒼いのご両親が好きなものでいいよ。うちの家族は好き嫌いないから。」
「そう。じゃあこちらで決めさせてもらうね。」
「悪いな。頼んだよ。蒼い、幸せになろうな。」
「うん。」
食事会当日。
「ちょっと想定外の貧乏人で驚いちゃったわ。」
「誰がですか?」
「あんたの親に決まってんでしょ。」
「特にお金に困ってるとかはないんですが。」
「頭も悪そうだったし、愛もないし、ボケも始まってるみたいだし。」
「ちょっと失礼すぎませんか?2人ともしっかりしてます。」
「だって、母親の安物のワンピースにタグがついたままだったじゃない。」
「不注意だったと母ってたじゃないですか。後でこっそり捨ててたを見たけど、1万円だって安物すぎて笑っちゃったわ。」
「わざわざ拾ってみたんですか?」
「どうか温かく見守ってはいただけないでしょうか?」
「それはそちらの態度次第と言いますと、結婚式あげるんでしょ?」
「ところで、さっきの生活保護って何?誰に聞いたの?」
「だったら何?」



